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令和5年6月より前任の野﨑純より理事長を引き継いだ野﨑和博です。
今回理事長交代にあたりご挨拶させていただきます。私は杉並区阿佐ヶ谷で生まれ、阿佐ヶ谷で育ちました。杏林大学医学部を卒業後、同大学精神神経科教室に入職し、精神医学を研鑽してまいりました。外来医長、病棟医長を務めた後、2021年4月から当院に常勤として勤務しております。
当法人の母体である野﨑クリニックは開設30年、野﨑クリニック訪問看護ステーションは開設25年となります。その後、同ビル内にリリーフ相談支援事業所(リリーフ訪問看護ステーション併設)、ヘルパーステーションも併設しております。杉並区には精神科入院施設がないこともあり、開業当初からこれまで地域在宅支援として訪問看護やヘルパー、相談支援事業所などを地域に根付いた医療を展開して参りました。
当法人の特徴として診療所と訪問看護が併設している事が挙げられます。そのため医師と看護師の連携が迅速に行われ治療が円滑に行えます。また訪問看護の他に理学療法士、作業療法士が在籍し、リハビリテーションを同時に行うことができます。加えて生活援助が必要な場合はヘルパー利用が可能です。これらのサポートを適切に実行できるようケアマネージャーや相談員による計画の立案、関係各所に連絡を行っております。また診療部門では臨床心理士が在籍しており、必要に応じて心理テスト、カウンセリングを行い診療のサポートを受けることができます。多くのスタッフで関わることにより「在宅療養がより良いものになることを目指し、社会復帰するための患者の回復力を高める」ことを目指し日々取り組んでいます。
精神疾患が身体疾患と比べて治療が難しいところは、病気の部分と健康な部分の線引きが曖昧なところにあります。これは精神疾患の多くが一元的な原因でなく、心因やライフイベント、対人関係、社会情勢などの多元的な影響を受けるものであるからです。正しく線引きをする為には医療者が病気を適切に診断することだけでは不十分で、患者の健康な面をきちんと把握することが大切と考えています。その観点からも前述のように多職種で関わることは、診察室では見えてこない患者さんの人となりや生活状況を把握する意味でも有用であると考えます。これら線引きが出来て初めて病気を正しく認識し、自覚する「病識」を持つことが可能となり、「病識」を持つことで治療が上手くいきます。このように「病気ではなく、病人をみる」ことを大事にして診療を行っています。
今回、理事長交代の節目であり挨拶させていただきましたが、この生まれ育った杉並区で地域貢献に努め、一人一人の患者さんに真摯に向き合っていく所存です。また前任理事長の野﨑純の掲げていた当法人の信念である思いやり、チームワークを今後とも大切にするとともに、医療者自身が常識力を持ち、健康維持に努め、医療技術の研鑽を日々することで、患者さんの治療のお役に立てるよう法人全体努めてまいります。その結果として患者さんが社会回復し趣味やおしゃれが出来るまでに経済力が回復し、幸福を実感できるように願っております。
2023年6月1日
医療法人社団野﨑クリニック
理事長 野﨑 和博